膝の痛みと運動不足

膝(ひざ)の痛みの原因として考えられる事として、運動不足が挙げられます。とはいっても、膝が痛いから運動ができないんだという方もいらっしゃるでしょう。それももちろんわかります。今回は、運動不足が何故膝の痛みの原因になるのかという事と、膝が痛くてもできる運動について説明したいと思います。

運動不足が何故膝の痛みの原因になるのか?その答えは軟骨にあります。膝の痛みの原因のほとんどは変形性膝関節症によるもので、この変形性膝関節症は骨の軟骨が磨り減ることによって起こるという説明は以前しました。つまり膝の痛みを防ぐには、この軟骨をどうにかしてそのままの状態に保つ事が必要なのです。

軟骨は軟骨細胞からできていて、細胞というくらいですから、酸素と栄養が無ければ保つ事はできません。しかし、軟骨自体に血管がないので、酸素や栄養を運ぶパイプラインが無い事になります。ではどのようにして軟骨細胞に酸素と栄養を送るのかというと、関節にある滑膜から出る滑液を軟骨に染み込ませることによって酸素や栄養を送ります。

しかし、この滑液は何もしなくても軟骨に染み込むわけではありません。適度な運動が必要なのです。例えるならば、機械に油を差し、少し機械を動かすと全体的に油がいきわたるのと同じです。膝も動かさないと軟骨に滑液が染み込みません。

「でも、膝が痛くて歩けない」という方もいるでしょう。であるならば、膝に負担をかけずに膝を動かせば良いのです。椅子に座ってゆっくり膝を動かしたり、プールなどに出かけてゆっくりとウォーキングをする・・・など、膝を動かす方法はたくさんあります。

膝を動かさないでいると、周囲の筋肉も衰え、さらに膝への負担が強まり、膝の痛みの原因になってしまいます。現在膝の痛みに悩まされている方、膝の痛みを予防したい方、様々な方がいると思いますが、適度な運動は必要だという事はしっかりと覚えておきましょう。