半月版損傷による膝の痛み
膝(ひざ)の痛みの原因として、変形性膝関節症の他にリウマチ・痛風・じん帯の損傷・半月板の損傷などが考えられるという説明をしましたが、今回は半月板損傷についてもう少し掘り下げてみたいと思います。
半月板は膝の中に存在する三日月状の柔らかい繊維軟骨です。大腿骨と頸骨の端には関節軟骨がありますが、これだけだと直ぐに関節軟骨は磨り減ってしまうので、それを防ぐ為に半月板があります。
しかしこの半月板、年齢を重ねる毎に柔軟性が失われてしまうものなのです。新しいゴムは弾力がありますが、古いゴムは切れやすいですよね。それと同じ事が半月板にも起こります。つまり、歳を取るとちょっとした動作で半月板を損傷してしまう事が多くなるのです。
半月板を損傷すると、膝から異音や違和感を生じます。これが半月板損傷の初期段階です。続いて、損傷した半月板の一部が膝関節に挟まることで起こるロッキングという症状が出てきます。実はこの症状、私は19歳の時に経験しました。当時激しいスポーツをして半月板を損傷してしまったのですが、正座状態から立ち上がろうとした瞬間に右膝に激痛が走り、その瞬間に右足がロックしてしまい身動きが取れない状態になりました。整形外科に行ったところ、「ロッキングが起こらないように注意するか」「手術するしかない」という診断をされた記憶があります。私は前者を選びましたがなかなか大変な選択でした。
膝への負担の大きいスポーツを行っている方や、階段の上り下りを強いられるお年寄りの方は特に注意が必要です。特にお年寄りの方は、急に立ったり座ったりすることや、正座などは控えた方が良いでしょう。
半月板を損傷してしまったら自然に治ることはありませんので十分注意してください。